中川の里 介護支援専門員・介護福祉士 副主任
井上 則男(いのうえ のりお)さん 中級
全部してあげてることを 全然悪いと思ってなかった
――活かすケアを始めるきっかけは?
井上
勝浪PTから活かすケアのことを聞いたのがきっかけです。
長年介護の仕事をしてきて、普段でも利用者様の機能を
活かすことは考えていたと思っていたのですが、
いざ勝浪PTから聞いてみると、
これまではきちんと利用者様の機能を活かしていなかったのだと気づかされました。
例えば、起き上がりひとつにしても
自分でやってもらえば全然できる部分もあるのに、
時間が掛かるから迷わず私が自分でやってしまっていた。
それを全然悪いとは思っていなかったですから。
――実際やってみてどうですか?
井上
数秒とか数分の差なのだけど多少なりとも時間はかかります。
忙しい中だと、どうしても過剰にやってしまう。
利用者様もそれに慣れてしまっている。
依存度が高い方もいらっしゃいます。
何でも、やってやって、と。
そこは苦労しますね。
自分で出来るんだ という喜び
――なぜ活かすケアを続けるのか?
井上
介護の仕事の本筋は利用者さんの生活の助け。
自分で起き上がれるということは、
その人の健康維持にも影響しますし、
精神的な面でも自分で出来るんだという喜びもあると思うので続けたいです。
起き上がれなかった方がいつのまにか起きてるという光景は
すごく自信になりました。まだ少ないですけど。
――将来に向けて なりたいことやつけたいスキル、経験したいことは?
もっと向き合っていきたい
井上
従来型施設だと、数人を相手とした業務になり、
それが日々の優先業務になってしまいがちです。
本来は個人個人に向きあっていきたいです。
活かすケアや、食事の時間でもお風呂の時間でも。
ご利用者様が今まで生きてこられた部分もあるだろうし
いわゆる個別ケアという部分ですね。
もちろん限界もあるとは思うけど、
もう少し個別に目を向けていきたいです。