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ビオラ市ヶ尾 施設サービス課 介護福祉士・介護支援専門員 副主任
金井ジュンさん(初級)
活かすケアなんて「あり得るのか?」
――活かすケアを取り組むきっかけは?
金井 最初のきっかけは入職時のOJTですが、本格的に教わったのは、それから1年半後、 初任者研修の時です。
介護全般を基礎から学び直したんですけど、その時本格的に取り組みはじめました。
活かすケアの第一印象。
理想のような介助方法だけど、現場って入居者様へ伝えた事がなかなか通らないじゃないですか。特養だと認知症の方がほとんどなので本当に指示が通りづらい。
活かすケアは動作について声掛けをしながらお手伝いするのが基本なので、本当に出来るのだろうか?って疑問でした。

最初はそんな気持ちだったのですが、せっかくなら学んだことを活かしたいという気持ちもあり、 出来ることからやってみようと、聞き取って頂きやすい方から始めてみました。
指示の出し方次第で 立ち上がりがしやすくなった
金井 すると、次第に学んだ通り入居者様の体の動きが違ってきました。
指示の出し方によって立ち上がりがしやすくなったんです。

なぜ立ち上がりづらかったのかも 分かるようになりました。

今までは立てなければ仕方がない。すぐに全介助、となっていたのですが、 「膝のここを」などと細かく指示してあげるだけで、こんなに膝が伸びるんだという発見がありました。
細かいことの積み重ねなのですが、違いを感じていけるようになりました。
少しずつ改善してきたという実感があります。
自分の身体への負担も 全然小さくなる
――金井さんにとって 活かすケアの意義とは?
金井 「活かす」という名前だけあって、入居者様の残存機能を活かすということです。
それが出来るようになると、その人の生活が継続できるようになります。
施設理念のひとつにもあるように その人らしい生活が継続できるようになることが大事なので、 そういう意味で意義のある活動だと思います。

もうひとつは、自分の身体への負担影響ですね。
最初のうちは時間が掛かっていました。

でも慣れてくると基本が分かった上での介助になるので、 それこそ全介助でしていたのが、一部の介助で出来るようになる。
次第に体の負担が全然小さくなって、疲れづらくなる。体を壊すこともなくなりました。
目で見て覚えてくれ としか言えないのは嫌
――どんな時に学んでよかった?
金井 自分は勤続年数が7年になり、後輩に教えることが多くなりました。
その時に基礎を分かっているかどうかで、教える時の大変さが全然違います。

基礎が分からないまま介助を教えても、 目で見て覚えてくれ、としか言えないんですよね。
でも基礎を理解していれば、 後輩が介助している時「ここが足りていないよ」ってきちんと言えます。
やっていてよかったなと実感します。
――介護職として気をつけていることは?
金井 その人の生活をこれまで通り継続できることだと思うんです。
今までどんな生活をしてきたのかを知った上で、介助する必要があると思うんです。

もうひとつは、その人が出来ることと 出来ないこと、それを分かった上でしっかりと寄り添っていくのがすごく大事だと思います。
気をつけていると、自分で自分のことができるのを目指せる状態になっていきます。
問題を どうするか でなく 何故起きたのか
――今後の自分のキャリアは?
金井 マネジメントについてもっと磨きたいです。
職員に対してもっと関わりたい。

入居者に対してこう関わるべきだよって教えて、 職員と一緒に作り上げるのが好き。

入居者の要望をどうやったら叶えられるだろうかって 一つのことを考えて、チームでやり遂げること。

経験年数が浅い頃は、 あまり発信できないな、共感することが難しいな、理解してもらえないなって、 結構歯がゆい思いをしていました。

僕は「考え方」っていうのをすごく大事にしているんですね。

起こった問題に対して、それを無くすためにどうするのか、ではなくて なぜそれが起きたのか を考えた上でどう対応するのか。
それを僕は大事にしています。

数字に出るのは目指しているが難しいです。

後輩に役割を任せていて、その後輩から話を聞いている時、 なぜそうなっているのかって根拠や要因、本質を とらえた上で話をしようという姿勢が見えることがあります。

確実にこれだって当てるのはなかなか難しいですけど、 一番大事なのは考えることだと思うので、 そういう姿勢を見られた時が一番嬉しい。

やって良かったなって思いますね。

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